ツァボ・ウェスト国立公園②1日目

メイン・ゲートで、ツァボ・ウェスト国立公園で環境教育隊員として活動している
Rさんと落ち合う。

公園に入るなり広がった目の前の景色に大興奮!
見渡せば地平線、バオバブ、赤土・・

憧れていたケニアそのものの景色だった。










山がちなナクル湖国立公園では地平線が見える場所はごく限られている。
ツァボの広さにとにかく感動した。

臆病で滅多に姿を見せないと言われるディクディクが、何度も車の前を
横切った。


ナクル湖国立公園には水鳥が多いのに対し、ツァボには陸鳥が多い。
見たことのない鳥が次々と現れる。










Somali ostrich
ゲスト・ハウスの前にSomali ostrichとSecretary birdが現れた。
ナクル湖国立公園にはCommon ostrichしかいないが、ツァボにはそれとは
別にSomali ostrich(ケニアでは北部にのみ生息する)もいる。













マサイ・キリン
キリンには9つの亜種があり、ケニアにはうち3亜種が生息している。
ナクル湖国立公園にはウガンダ・キリンしか生息していない。










Eastern Pale Chanting Goshhawk


そして今回の旅行中、もっとも嬉しかったのは初めてヒョウに出会えたこと!











同じ場所のやや前方にはアフリカ・ゾウ!
ツァボ・ウェスト国立公園に来たら、アフリカ・ゾウは必ず見られるとは
聞いていたが、道端にゾウの群れ!











さらに少し行くと岩場の上にライオンが8頭ほど寝そべっていた。ツァボの
ライオンはオスでもたてがみが少ないそうだ。夕方だった上、やや距離が
あったのでオスかメスか区別がつかない。










夜は、RさんにNgulia Safari Lodgeでのディナーをごちそうになった。
私がアフリカに憧れる一因となったハウス食品世界名作劇場「大草原の
小さな天使ブッシュ・ベイビー」に出てくるブッシュ・ベイビーが、パンを
狙ってレストランに現れた。

ホテルの庭に 水場があり、ゾウなどが水を飲みに来るのを間近でみることが
できる。 それだけならどこのホテルも同じだが、このホテルには肉が吊るされ
たエサ 台があり、ちょうど私たちが到着した時、ヒョウがエサを食べていた。

各国立公園内のホテルはKWSから土地を借りて営業している。観光産業
に大きく貢献するこれらホテルをKWSが規制できる日がくれば、本当の
world leader of wildlife conservation(KWSのビジョンより)になれる
のだろう。

Ngulia Safari Lodge
http://www.safari-hotels.com/kslh/hotels/?flag=hotels&htl=3

ツァボ・ウェスト国立公園①ナイロビ~公園

調整員Iさんがツァボ・ウェスト国立公園に旅行に行くと聞き、無理をお願いして、
Eっちと2人、旅行に便乗させてもらうことになった。

ナイロビからケニア東部、インド洋へとまっすぐに延びるモンバサ・ロードはきれい
に整備されており、快適なドライブが楽しめる。


途中、道の右手(南側)にキリマンジャロの雄姿が見えた。いつか登りに行きたい。












ツァボ・ウェスト国立公園と、隣接するツァボ・イースト国立公園、そしてその間に
挟まれるチュル・ヒルズ国立公園の3つをあわせたツァボ保全エリア(KWS独自
の行政区分)は、四国ひとつ分ほどの広さになる。










ツァボ・ウェスト国立公園の起点となるムティト・アンディまでは、ナイロビから
モンバサ・ロードを通って約4時間。 トウモロコシ畑に始まった車窓からの景
色は、次第にツァボらしい赤土の景色へと変化する。



初めて見るバオバブに感動。やっと見られた!アフリカに来た!という実感がわく。



夕日











月のように見えるけど、今日の夕日。
見る見るうちに、向こうの丘に沈んでいった。

高橋尚子さんのナクル訪問











マラソンの高橋尚子さんが、スマイル アフリカ プロジェクトの一環と
て、ナイロビで開催されたソトコト サファリ マラソンに出場。その後、
日本のこどもたちが提供してくれた靴を持って、ナクルに来て下さった。

ナクル湖国立公園に隣接する(文字通り敷地が隣接している)Lake
View小学校にて、こどもたちに靴をプレゼント。不公平がないよう、
全校生徒に靴が行き渡るよう配慮してもらったおかげで、こどもたちは
大喜び。

靴寄贈のセレモニーはこどもたちからの歌の歓迎に始まり、高橋尚子
さんから、靴がケニアに贈られてくるまでの経緯が説明された。最後
高橋尚子さんと一緒に丘をRUN。

私も同僚に「mwisho(ビリ)だよ!」とからかわれながらも一緒に走った。
標高1,800mのナクルで、丘を3周くらいして、私はそれだけで汗だくに
なったのだけど、高橋尚子さんは息ひとつ切れていなかった・・さすが・・!

私にとって嬉しかったことは、今回の高橋尚子さんの訪問を通じてLake
View小学校の先生と、学校が抱える課題について認識を共有できたこ
と。そして上司がKWSとして、同校で環境プロジェクトを推進していこうと
提案してくれたことだった。

現在私が関わっている出張授業は、単発のため、教育効果が見え
い。特定の学校で連続した活動をしなければ意味がないと感じてい
矢先のことだった。

この時の様子は10月にTV放送されるそう。予定が決まったらまた報告
します。


スマイル アフリカ プロジェクト
http://www.sotokoto.net/smileafrica/


写真は、寄贈された靴をはいて、心なしか誇らしげなLake View小学校
のこどもたち。 ケニアでの第二の人生を歩きだした靴たちも嬉しそう。


HAKEN プログラム@Thika













HAKENプログラムとは、環境教育分科会の会員として、
会員以外の隊員の活動先へ出向き、環境に関する派遣
授業を行うもの。

今回は、Thikaという町の近くにあるSecondary school
(日本の 中学3年生から高校3年生にあたる学生が通っ
ている) 理数科教師をしているM先輩の所へ出かけた。

環境教育分科会の会員として、先輩隊員と一緒に行う
最初で最後のイベント。

同校で寝泊まりする生徒の数は800人ほどだそうで、
この日は600人ほどが参加。全員男子生徒。生徒たち
の元気さは想像に難くない・・


今回のテーマは"森林保全"。

まずはメルー国立公園で活動するK先輩から、森林に

関する講義。日本とケニアの森 林面積などの比較が
興味深かった。さすが。

続いてツァボ・ウェスト国立公園に勤務するR先輩が
講義の内容を踏まえたネイチャー・ゲームを行った。

イス取りゲームの森林保全バージョン。

私は実際にネイチャー・ゲームをこどもたちにやらせた
ことがなかったので、説明の難しさをヒシヒシと感じた。
自分が日本の常識の中で育ってきている、と自覚し、

ケニアの常識を把握すること、スワヒリ語をもっと勉強
することが肝要だと思った。

ゲームの途中で就寝準備時刻となり、生徒がいっせい
に退席するという場面もあったが、最後には授業に関
心をもった数百人が講堂に残り、R先輩のメッセージを
しっかり受け止めてくれ、とても頼もしかった。


M先輩の家の周囲は熱帯の風景。協力隊らしい田舎
での生活はとても魅力的に見えた。















揚げパン













ケニアで一般的なおやつのひとつにandaziがある。 英語だと

”ドーナツ”と訳されるが、日本語に訳すなら”揚げパン”。

小麦粉を水で練り、好みにより砂糖、バターなどを加える。わが

職場ではレモンの皮をすりおろして練りこんだ”レモン揚げパン”
が人気。

andaziはスワヒリ語でJI-MAクラスに属する単語で、複数形は

頭にmaをつけ mandaziとなる。

スワヒリ語が崩壊しつつあるケニアでは、 喫茶店のメニューで
"ndazi"と書かれているのを見かける。複数形の"mandazi" から、
複数形を示す maを取るとndaziになる、と考えているようだ。

文法はともかく、私はmandaziが大好きだ。


予防接種













最近、同僚たちとの関係がギクシャクしていて、私のストレスも最高潮。

今までナイロビに行きたいなんて感じたことはなかったけど、初めて、
「休日だけでもナクルを離れたい」と思った。運良く、肝炎の予防接種と
健康診断のため、ナイロビに行けることになった。

ミニバスに乗る前に美容院に行って、美容師さんに「大人っぽい髪型に
して下さい!お任せします!」とお願いしたところ、ストレートのヘア
ピースをつけてもらった。前髪をワカメちゃんのように切られてむしろ
子供っぽくなってしまった・・

ナイロビ病院で予防接種を済ませてからJICAの事務所に行くと、健康管理
員Dさんから全員に弁当が用意されていた。感動。ごま豆腐のおいしかった
ことと言ったら・・(*^-^*)

Dさんはお母さんのように隊員を気にかけてくれる。
Dさん、ごちそうさまでした❤

ご近所さんの引越

隣の隣の家に住んでいたC夫妻が引っ越すことになった。

KWSの職員であるだんなさんの昇給に伴い、異動することになったそうだ。

奥さんのマダムCと私は、おかしいほど似た者同士で、本当に気が合った。

朝ごはんにチャイやチャパティを届けてもらったこともある。なんど夕食をごち
そうになったかわからない。果物が大好きな私に、よくお裾分けしてくれた。


私が引っ越してきて2日目に、トイレでネズミが泳いでいて、それを追い出し
てくれたのも、大きすぎるベッドを部屋に運び入れる時に解体と組み立てを
手伝ってくれたのもマダムだった。

PCを教えてあげたり、仕事や家族の愚痴を言い合ったりして、夜中まで
一緒に過ごしたこともある。年こそ離れていたし、立場も違っていたけれど、
ナクルで、ケニアで、唯一、友達と呼べる人だった。

アフリカ人らしいおせっかいなところや、物の貸し借りにルーズなところを
面倒くさく思ったこともあったが、それもなくなってしまうかと思うと本当に
寂しい。





雨がゴミを運ぶ
















ケニアは雨季。ここナクルでも毎日雨が降っている。とはいえ、日本の梅雨
のように1日中雨が降り続くような日はなく、主に夕方、時として夜、昼だけ
ドシャーッと降り、あとはカラッとしている。

廃棄物回収システムが不十分なケニアでは、人はゴミを道端にポイ捨てする。
下水システムが不十分なケニアでは、道端に捨てられたゴミは、雨により
地表を流れ、標高の低いナクル湖まで運ばれる。

ナクル湖国立公園の表参道、町からメイン・ゲートに続く道が、雨に運ばれて
来たゴミでいっぱいになっている。

固形廃棄物による環境汚染はここまで目に明らかである。



Bhahati yangu(運)
















赴任から2カ月。職場に慣れるに従って、そろそろ改善すべき点を改善して
いきたいな、と思っているが、日本人の常識的に正しいこと(遅刻はしない、
約束は守る)や環境的に正しいこと(イベントの前後にちゃんと講義をする、
アイドリング・ストップをする)などがケニア人に通じないことが多く、最近周
囲と衝突してばかりだった。

しかし今日は、昨日のEっちの言葉の通り、ごく単純に「いいこと」があった。

なんと50ドルを拾ってしまった!

お昼ごはんを食べに行ったメイン・ゲート脇のレストランの前に札束がポトッ

と落ちていた。公園に入る前にレストランに寄るお客さんは少ないだろうか
ら、お金を落としたお客さんは、おそらくもう公園を出てしまっているだろう。
5シルくらいならポケットに入れてしまうところだが、50ドル。日本人の私に
したって大きな額だ。

とりあえずメイン・ゲートに届け、「お金を落とした、っていうお客さんがいた
ら渡してあげてね。」とお願いした。 レストランに戻ると、友達やなんと上司
からさえ 「も~!どうして届けたりしたの?あれはbhahati yako(あなた
の運)だよ。」 と言われた。

つまり、「もらっちゃいなさい」と。

日本だったら拾ったお金は交番に届ける。持ち主が現れれば万歳。現れ
なければ拾得者の持ち物になる。 (民法第240条)良い法律だ。

小さい頃、父親と歩いていて10円玉を拾ったことがある。父親は「10円
取りに来る人はいないからお前が使いなさい。」と言ったけれど、父親に
ついて来てもらって交番に届けた。お巡りさんは、「ありがとう。」と言って、
自分の財布から10円玉を出して私にくれた。10円がもらえて嬉しかったけ
れど、それはつまりお巡りさんも父親同様、10円を取りに来る人はいない
思ってるということで、なんだか悲しかった。

ケニアでは、お金をひろっても交番に届けなくてもいいし、メイン・ゲートに
届けなくてもいいらしい。それがケニアの常識らしい。 不正、賄賂が横行
するケニアの社会を見ていたら、市民が拾ったお金を警察に届けようと思
わないのは当然かもしれない。

上司の言葉に従って、メイン・ゲートに戻り、「お金は私が預かっておくか

らお客さんが来たら私に電話して。」と言ってお金をもらってきた。

さあ、bhahati yangu(私の運)。この50ドルをどうしよう?この50ドルから
私の幸運が始まると信じてる。

事実、「拾った50ドルをメイン・ゲートに届けた」と報告したら、久しぶりに
上司がいつもみたいに笑って話してくれた。今日から挽回!



写真はナクル湖国立公園のロスチャイルド・キリン

明日から良くなるよ













 配属先に文句を言い続けた挙句、ようやく家の修理が始まった。修理と言っても
大したことはない。裏口に鍵をつける、窓に取っ手をつける、ドアに取っ手をつける、
古くなった排水管を取り換える、閉まらないドアを削って閉まるようにする等々、小
さな作業ばかりだ。

 大工さんがトンカンやっている間、JICA事務所から1本の電話があり、ショックな
ニュースを聞かされた。先月後半からどうもついていないことが続いていたけど、こ
のための序章だったのか、と思った。

 夜、Eっちに電話をしてその話をすると、「そんなにショックなの?」と笑われ、「も
う落ちるところまで落ちたんだから明日から良くなるよ。」と言われた。Eっちの楽天
的な言葉に励まされる思いがした。



写真は昨日行ったエレメンタイタ湖

水質調査

気分転換を兼ねて、KWSナクル湖国立公園リサーチ部門とNAWASSCO
(環境 コンサルティングを行っている私企業。ナクル市の出資により設立)
の水質 サンプリングに同行させてもらった。(撮影:E-3)















まずはナクル湖国立公園内5カ所でサンプリング。エデュケーション・センター
の仕事では行かない地域に行け、今まで見たことがなかった動物も見ること
ができた。

クロサイ(Black Rhino)(Diceros bicornis)IUCNレッドリストCritically

Endangered(絶滅危惧種)。ワシントン条約付属書Ⅰ 類掲載。ナクル湖国
公園にはクロサイ保護のためのサンクチュアリがあり、個体数は50頭まで
増加している。森林性のため、草原性のシロサイと比較して見つけにくい。













モモイロペリカン(Great White Pelican)(Pelecanus onocrotalus
昔、絵本で読んで以来、あこがれていた鳥。家に帰ってさっそくデスク・

トップの写真にした。 ペリカンはコウノトリ目なんだね。知らなかった。













その他、写真はうまく撮れなかったけれど、サンショクウミワシ(African Fish
Eagle)(Haliaeetus vocifer)、 ヒメカワセミ(Pied Kingfisher)(Ceryle
rudis)も見られた。












それからナクル湖の南東10kmほどのところにあるエレメンタイタ湖(ナクル
湖と同じくアルカリ性の湖)へ。国立公園ではない、小さな湖だが、ナクル
湖より多くのフラミ ンゴが見られた。少女マンガのような顔をしたディクディ
(Kirk's dikdik)(Madoquakirkii) もかわいかった。












写真はエレメンタイタ湖にて、水のサンプリングのため、湖の中心部へ向かう
NAWASSCO職員。ご覧の通り、湖は浅い。手前に写っているのがカワウ
(Great Cormorant)Phalacrocorax carbo)、遠くに写っているのがフラミンゴ。


リサーチ部門の職員は、さすがに知識が豊富。同じ景色を見ているけれど
知識がなければ見えていないのも同じだな~と感じた。

今日はとても良い気分転換になった。

足を延ばして











 私が勤務するエデュケーション・センターのすぐ前に、JICAとナクル市が共同出資
して建てた水質検査所がある。兼ねてより関心があったのだが、エデュケーション・
センター以外の人とのつながりを作ろうと、今日初訪問。

 JOCVだと名乗ると快く迎えてくれた。昨日、ナクル湖面で水質調査用のボートを見
たと話すと、ちょうど今がKWSのリサーチ部門と共同で行っている月に一度の水質調
査のサンプリングの時期だと言う。明日はナクル湖から南東に約10kmのところにあ
るエレメンタイタ湖のサンプリングに行くと言う。ラッキー♪

 そのままリサーチ部門の事務所へ行き、明日の調査に同行させてもらえないか依
頼。 歓迎はされなかったが、承諾してもらった。エデュケーション・センターの上司に
報告すると、こちらも渋い声。しかし、自分の仕事に消極的な同僚を待ちながら日が
な 一日事務所でPCをいじっているよりも、時間を有意義に使いたい。上司も私の気
持ち はわかっているはずだ。




 









4月は学校が春休み中だったこともあってか、同僚の士気が低い。
オフィスにすら来ない日がある。前任者がやってきた環境教育プロ
グラムや教材について話をすると「あれは良かった」と嬉しそうに
してくれるのだが、現物は残っておらず、復活させようともしていない。

先日、上司、同僚を交えて話し合ったものの、効果は見えて来ない。
青年海外協力隊の目的は「技術移転」。このまま同僚の様子に変化
が見られないようだったら、NGOなど他の仕事仲間を探そうかな・・と
思案中の今日この頃。



写真はSuperb Starling(Lamprotornis superbus)(撮影:E-3)
ナクルではスズメのように一般的な鳥。

先輩の訪ナクル












環境教育隊員の先輩がナクルに遊びに来た。自称「雨男」の先輩のおかげか、
あいにくの大雨だけど、フラミンゴはずいぶんたくさん見えた。フラミンゴは雨量
(湖の水量)に応じてかなり柔軟にリフト・バレーの湖を渡り歩いているらしく、
フラミンゴの数は日によって千羽単位で変化する
夜はナクル唯一の中華料理屋「明月飯店」へ。海外にありがちなニセ中華では
ない。中国人オーナー&コックのいる、おいしい中華料理屋だ。 ナイバシャに
寄ってからナクルに来た先輩は、ナイバシャがよほど楽しかったらしく、すごい
ハイテンションでおもしろかった。
たまにぜいたくできるお店があるのは嬉しい。先輩、ごちそうさまでした。