夜10時半。
窓の外からグルルッグルルッという獣の鼻息が聞こえた。
灯りを消して、ヘッド・ライトの光を外に向けてみるけど何も見えない。
グルルッグルルッ
すごく近い。
グルルッグルルッ
どうやらフェンスのすぐ外側にいるようだ。
グルルッグルルッ
数日前、家のすぐそばにライオンが2頭出たという話を思い出した。
怖くなって2軒隣のマダムKに電話をしてみる。
「ドアを閉めていれば大丈夫よ。」と言われるも、外の音が気になる。
しばらくするとトコトットコトットコトッという足跡が聞こえてきた。
「・・・あ・・ひょっとしてイノシシかな・・?」
「Lala kabisa.(寝ちゃいなさい。)」