イースター(復活祭)

キリストが復活したのは「春分の後の最初の満月の次の日曜日」で
今年2011年は4月24日がイースターの休日になるらしい。

ケニアでは土日に加え、月曜日が振り替え休日、金曜日が”ハッピー・
フライデー”(休日)、ということで、今日から4日間のイースター 休暇
に入る。

今日、ナクルの高校で美術の先生をしていた知人DからSMS
(携帯メール)が届いた。(誤字脱字もあるが原文そのまま)

Pliz, Ka una namba ya J.C, umshow asiende Jerusalem,
Wayahudi wameplan kumuua, abaki Galilee hadi Nomaiishe.
Sina credo nimemflash lakini hajanicall. Happy Easter!

Network huku hakuna simpati Judas, pliz umpigie umwambie
asimsaliti YESU kwani hata wakimuua atafufuka na atakuwa
hai milele yote, maandalizi mema ya paska

私にはわからない単語がたくさん使われていた上、シェン(ナイロビの
若者同士が使う俗語)も使われていたので、てっきり間違いメールだと
思い、「他の人に送るメール、間違えて私に送ってない?」とメール
すると、「マイ フレンド、君に宛てたメールだよ。」との返事。

なになに、私宛て・・?辞書を片手に読んでみると・・

訳:
「お願いなんだけど、J.C.の電話番号を知っていたら、エルサレムには
行くなって伝えてほしいんだ。ユダヤ人が彼を殺そうとしてる。問題が
解決するまでガリラヤに残った方がいい。携帯の残高がないから、彼
にワンコールだけしたけど、彼から僕にはまだ電話がかかってこない
んだ。 ハッピー イースター! 」

「いま圏外で、ユダにつながらない。彼に電話して、イエスを裏切るなっ
て言ってくれ。何でだ?たとえ彼を殺したところで、彼は復活して永遠
に生き続けるのに。復活祭の準備をしよう。」


キリストは磔刑に処された日から3日目に復活したとされるから、イースター
から逆算して3日前の今日、金曜日が、キリストが十字架に架けられた日
ということになる。

インテリの彼らしい、復活祭のジョークだった。

「おもしろいメールをありがとう。気に入ったから友達のJ.C.にも転送
させてね。」と返信した。(J.C.はもちろんジーザス・クライストのこと。)

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余談だが、ケニアを歩いていると「ムズング!」と声を掛けられる。これを
「白人」という意味だと勘違いしている人(外国人もケニア人ですらも!)
が多いが、これはkuzunguka(歩き回る)という動詞の名詞形(mzungu)
であり、「歩き回る人」つまり「旅行者」を意味している。

「だから”ムズング!”と呼ばれて、”私はムズングじゃなくて日本人だよ。”
と答えるのは間違いで、”私はムズングじゃなくてmwenyeji(地元の人)
だよ。”と答える方が正確なんだよ。」と教えてくれたのもDだった。

ある時、別のケニア人にmzunguの語源について説明すると、「誰から
教えてもらったの?mjanjaになったね。」と言われた。mjanjaは「賢い」
と同時に「ずる賢い」も意味する。

みんなのおかげで、私はちょっとずつmjanjaになっていく。

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今日、Dにもらったメールを別のケニア人の友人にも転送したら、 「どこで
手に入れたの?おもしろいメールだね。」との反応。 「私が考えたんだよ。」
と嘘ついたけど「君じゃないね。証拠もあるからハーグに行ってもいいよ。」
と言い切られた。

まだまだmjanjaさが足りない私・・

(ケニアで2007年の大統領選挙に付随して起こった暴動の扇動者とされる

政治家等の裁判が行われる国際司法裁判所があるのがハーグ。ケニアは
このところその話題で持ち切り。)


今日の単語:
Pasaka イースター / fufuka 復活する / Wayahudi ユダヤ人
noma 障害、邪魔 / saliti 裏切る / maandalizi 準備する


写真:最近よく我が家の近くで餌を食べているアフリカイボイノシシ(こども)
    私に気付くと親子共々、尾を垂直に立てて逃げ去る。











たまにはこんなバス・ツアー









エデュケーション・センターのバスが「外国人」に貸し出された。

小中高校生が移動教室(でいいのかな?)に行くために丸一日
貸し切るのが普通だが、今日はなんと、あるホテルからある飛行場
までのわずか30分の距離のために大型バス4台が出動するのだという。

到着したホテルは、ケニアの大臣クラスが通うというゴルフ・ホテル。
そこにいたのは中国人250名のツアーだった。

「私は日本人です。」と英語であいさつしても通じず、その代り、
豪快なケニア人ガイドさんが、流暢な中国語で通訳してくれた。

お客さんに「日本の歌を歌って!」と囃したてられ、ケニアのデコボコ道
に揺られながら、中国人観光客に
日本語の歌を披露する私・・
よく聞こえてなかったと思うが、拍手喝采で喜んでもらえた・・

飛行場に着くと今度は飛行機5台(!)をチャーターして某国立公園へと
飛んで行った。
ちなみに彼らの荷物はサファリ・カーに乗せられて公園に
先回りしているそうだ。


国際支援もそうだが、旅行もなんとスケールの大きいこと!

ビジネスの面でも、観光産業の面でも、ケニア人の若者が中国語を
勉強したがるのがわかる気がした。


飛行機を待つ間、私はこどもたちに取り囲まれ質問攻めにあったので、
ちょっとした日本語講座を開いた。

私以外のスタッフはどうやらチップももらったようで、帰り道、運転手
さんは気前よくランチをごちそうしてくれた。

岩塩

ナクルに住み始めて1年。週末しか出ないとは言え、ナクルのタウン
もだいぶ歩き回ったつもりだった。



その店は、中距離ミニバスの停留所の前にあり、その付近はいつも
ミニバスの乗客やその客引き、乗客目当ての果物売り、そして私の
ようなただの通行人でごった返している。

「ナイロビに行くのか?」と英語で話しかけてくる客引きに、
「ジャンボ!ジャンボ!」と適当に返答しつつ、いつもどおりその店の
前を通り抜けようとした時、ふと、私の目に薄いピンク色の物体が
入り込んで来た。

数メートル行って立ち止まる。今のピンク色は・・?

通り過ぎた店の前にもういちど戻る。
野菜の種や農薬、家畜用の薬などを売る小さな商店。
Agro & Vetという種類の店だ。

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ピンク色の物体は、狭い店の狭いカウンターの上にある。
幅はゆうに20cm以上はある。近寄って正体を確かめる。


やっぱり。岩塩だ!

「これ、塩ですか?」と尋ねる。外国人が来る店ではないだろうに、
店主は塩を指先に乗せて、「パキスタン製の岩塩だよ。牛に食べ
させると牛乳がおいしくなるんだ。」と
丁寧に答えてくれる。

パキスタン製!ヒマラヤ岩塩!ネパールを旅行した時、とても
おいしかったので
2kgほど抱えて日本に持って帰った。

「ケニアでは人は岩塩食べないの?日本では人も岩塩を食べるよ。
ミネラルがいっぱいで海塩よりも甘くておいしいよ。牛が食べるだけ
なんてもったいないよ。」と言うと、店主もお客さんも笑った。

店主の脇で小さく座っていた、彼の父親らしい老人はスワヒリ語が
わからないらしく店主がキクユ語で説明をしたら、老人も嬉しそうに
笑い、
一生懸命スワヒリ語を使って私に話しかけてきた。

値段は1kgで60円と格安。

「1kg下さい。カナヅチで割ってもらえますか?」と聞くと、店主は店
の奥の床でガンガンと塩を割ってくれた。

その様子を見ながら、
そういえば隣のおばさんが殺鼠剤を購入して
いたのを思い出し、
ニコニコと袋に入れてくれた店主には申し訳ない
が、次回からは自宅で割ろうと思った。
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普通に使える大きさになるまで砕いたりと手間はかかるが、
やはりこの甘みには替え難いものがある。

まさかこの値段でナクルでヒマラヤ岩塩が手に入るとは。
幸せがひとつ増えた。












上の写真はモンバサから北上する道沿いにある塩田。
海塩は味にカドがあるのでやはり岩塩の方が好き。

猛禽あらわる

ナクル湖国立公園では520種の鳥類が観測できるとされている。
その内訳は水鳥450種と陸鳥70種。

公園の敷地内で働きながら、湖に行く機会の少ない私にとって、
水鳥の観測は容易ではない。事務所から観察できる鳥類といえば、
ツバメ・スズメ・ツグミ・モズなどの小型鳥類がもっぱらである。

しかし、以前も書いたように、去年の11月、乾季が始まった頃から、
事務所や自宅の近くでもいろいろな陸鳥が見られるようになってきた。

そしてついに本日、今まで見たことがなかった猛禽が出現!
乾季になり、下草が枯れ、猛禽にとってはネズミなど小動物の狩り
がしやすい季節になったのだろう。

事務所の台所から出るゴミをあさるのネズミを狙って現れたのは
Long-crested Eagle(Lophaetus occipitalis)。頭の上の長いとさか
が特徴で、風によって後ろになびいたり、前に垂れたりするので、
それによって勇ましくも情けなくも見える。
Long-crested Eagle
ちなみにケニアに来てこれまで見た猛禽はこれでなんとわずか
6種(ハゲワシを除く)。Fish Eagle、Eastern Pale Chanting
Goshawk、Augur Buzzard、Black Kite。なんとも寂しい数字。
(Eastern Pale Chanting Goshawkのみツァボ・ウェスト国立公園
で観察。それ以外はナクル湖国立公園で観察。)

Long-crested Eagle今後、エデュケーション・センター付近に
頻繁に現れるようになる。

ケニアの”肉”の話

※今回の記事には、菜食主義の方には不快となる写真や文章が
  含まれております。ゴメンナサイ。

ケニアにはイスラム教徒とキリスト教徒がいる。

ご承知のとおりイスラム教徒はハラル・フードしか食べられないが、
キリスト教徒は牛、羊、ヤギ、鶏、●▲×■など、なんでも食べる。

ケニアでは、日本のようにきれいにスライスされパックされて売られ
ている生肉を見たことがない。スーパーに行くとチルド・ケースに
大きな肉が陳列されており、重量を指定して買う。あるいはパック
された冷凍肉を買う。

お金持ちをのぞいて、大方の人は、スーパーではなく肉屋で肉を
買う。肉屋に行くと、窓際に牛やヤギが吊るされており、店員に
重量を言って切ってもらう。一般的に最小単位はクォーター・キロ
グラム(=250g)だが、「○○円分ちょうだい」と言うとその金額分
だけ切り分けてくれるらしい。

私はもともとそれほど肉は食べない上、250gはひとりで食べる
には多いこともあり、ケニアに来てからは数回しか肉を買っていない。

たまに職場で昼食が出ることがあり、そういう時には肉が食べられる。

たまに無性に肉が食べたくなる時があるが、なかなか買いに行け
ないので、外食する際には、特に食べたくなくても肉を食べるよう
にしている。

ここ最近、無性に肉が食べたくて、客人のあった2日と11日、
思い切りラム肉を食べた。(両日ともつけあわせはマッシュド・ポテト。)

写真まで撮ったくらいだから、よほど食べたかったんだろう。
これでしばらく肉は食べなくても大丈夫・・・
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