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最近、同僚たちとの関係がギクシャクしていて、私のストレスも最高潮。
今までナイロビに行きたいなんて感じたことはなかったけど、初めて、
「休日だけでもナクルを離れたい」と思った。運良く、肝炎の予防接種と
健康診断のため、ナイロビに行けることになった。
ミニバスに乗る前に美容院に行って、美容師さんに「大人っぽい髪型に
して下さい!お任せします!」とお願いしたところ、ストレートのヘア
ピースをつけてもらった。前髪をワカメちゃんのように切られてむしろ
子供っぽくなってしまった・・
ナイロビ病院で予防接種を済ませてからJICAの事務所に行くと、健康管理
員Dさんから全員に弁当が用意されていた。感動。ごま豆腐のおいしかった
ことと言ったら・・(*^-^*)
Dさんはお母さんのように隊員を気にかけてくれる。
Dさん、ごちそうさまでした❤
隣の隣の家に住んでいたC夫妻が引っ越すことになった。
KWSの職員であるだんなさんの昇給に伴い、異動することになったそうだ。
奥さんのマダムCと私は、おかしいほど似た者同士で、本当に気が合った。
朝ごはんにチャイやチャパティを届けてもらったこともある。なんど夕食をごち
そうになったかわからない。果物が大好きな私に、よくお裾分けしてくれた。 私が引っ越してきて2日目に、トイレでネズミが泳いでいて、それを追い出してくれたのも、大きすぎるベッドを部屋に運び入れる時に解体と組み立てを手伝ってくれたのもマダムだった。
PCを教えてあげたり、仕事や家族の愚痴を言い合ったりして、夜中まで
一緒に過ごしたこともある。年こそ離れていたし、立場も違っていたけれど、
ナクルで、ケニアで、唯一、友達と呼べる人だった。
アフリカ人らしいおせっかいなところや、物の貸し借りにルーズなところを
面倒くさく思ったこともあったが、それもなくなってしまうかと思うと本当に
寂しい。

ケニアは雨季。ここナクルでも毎日雨が降っている。とはいえ、日本の梅雨のように1日中雨が降り続くような日はなく、主に夕方、時として夜、昼だけドシャーッと降り、あとはカラッとしている。廃棄物回収システムが不十分なケニアでは、人はゴミを道端にポイ捨てする。下水システムが不十分なケニアでは、道端に捨てられたゴミは、雨により地表を流れ、標高の低いナクル湖まで運ばれる。ナクル湖国立公園の表参道、町からメイン・ゲートに続く道が、雨に運ばれて来たゴミでいっぱいになっている。固形廃棄物による環境汚染はここまで目に明らかである。

赴任から2カ月。職場に慣れるに従って、そろそろ改善すべき点を改善していきたいな、と思っているが、日本人の常識的に正しいこと(遅刻はしない、約束は守る)や環境的に正しいこと(イベントの前後にちゃんと講義をする、アイドリング・ストップをする)などがケニア人に通じないことが多く、最近周囲と衝突してばかりだった。
しかし今日は、昨日のEっちの言葉の通り、ごく単純に「いいこと」があった。
なんと50ドルを拾ってしまった!
お昼ごはんを食べに行ったメイン・ゲート脇のレストランの前に札束がポトッと落ちていた。公園に入る前にレストランに寄るお客さんは少ないだろうから、お金を落としたお客さんは、おそらくもう公園を出てしまっているだろう。5シルくらいならポケットに入れてしまうところだが、50ドル。日本人の私にしたって大きな額だ。 とりあえずメイン・ゲートに届け、「お金を落とした、っていうお客さんがいたら渡してあげてね。」とお願いした。 レストランに戻ると、友達やなんと上司からさえ 「も~!どうして届けたりしたの?あれはbhahati yako(あなたの運)だよ。」 と言われた。つまり、「もらっちゃいなさい」と。
日本だったら拾ったお金は交番に届ける。持ち主が現れれば万歳。現れなければ拾得者の持ち物になる。 (民法第240条)良い法律だ。
小さい頃、父親と歩いていて10円玉を拾ったことがある。父親は「10円を取りに来る人はいないからお前が使いなさい。」と言ったけれど、父親について来てもらって交番に届けた。お巡りさんは、「ありがとう。」と言って、自分の財布から10円玉を出して私にくれた。10円がもらえて嬉しかったけれど、それはつまりお巡りさんも父親同様、10円を取りに来る人はいないと思ってるということで、なんだか悲しかった。
ケニアでは、お金をひろっても交番に届けなくてもいいし、メイン・ゲートに届けなくてもいいらしい。それがケニアの常識らしい。 不正、賄賂が横行するケニアの社会を見ていたら、市民が拾ったお金を警察に届けようと思わないのは当然かもしれない。
上司の言葉に従って、メイン・ゲートに戻り、「お金は私が預かっておくからお客さんが来たら私に電話して。」と言ってお金をもらってきた。
さあ、bhahati yangu(私の運)。この50ドルをどうしよう?この50ドルから
私の幸運が始まると信じてる。
事実、「拾った50ドルをメイン・ゲートに届けた」と報告したら、久しぶりに
上司がいつもみたいに笑って話してくれた。今日から挽回!
写真はナクル湖国立公園のロスチャイルド・キリン
配属先に文句を言い続けた挙句、ようやく家の修理が始まった。修理と言っても
大したことはない。裏口に鍵をつける、窓に取っ手をつける、ドアに取っ手をつける、
古くなった排水管を取り換える、閉まらないドアを削って閉まるようにする等々、小
さな作業ばかりだ。
大工さんがトンカンやっている間、JICA事務所から1本の電話があり、ショックな
ニュースを聞かされた。先月後半からどうもついていないことが続いていたけど、こ
のための序章だったのか、と思った。
夜、Eっちに電話をしてその話をすると、「そんなにショックなの?」と笑われ、「も
う落ちるところまで落ちたんだから明日から良くなるよ。」と言われた。Eっちの楽天
的な言葉に励まされる思いがした。
写真は昨日行ったエレメンタイタ湖