不思議な出会い










私はネパールが好きだ。
2004年に初めて訪れて以来、計4回、ネパールにトレッキングの旅に出かけた。

JOCVを受験する時にも、ネパールを希望しようかと考えたが、あいにく、
平成20年度秋募集の環境教育分野には、ネパールの案件はなかった。

ネパール隊員の訓練はKTCで行われるのだが、
「もし訓練所が一緒だったら、ネパール隊員といろいろ話ができるのにな。」とか、
「KTCの「朝の集い」では、世界で唯一四角形ではない、あのネパールの国旗が

掲揚されるんだろうな。」 とか、「ネパールの国家、私も歌えるよ。」とか、いろいろ
考えながら、ひとり NTCでネパールを偲んでいた。

「訓練所の交流か何かで、KTCのネパール語の先生がNTCに来たりしないのか

な~。そしたら、私、「ハジュール!ナマスカール!」って挨拶するのに・・」なんて
妄想したりもした。

当たり前のことながら、そんな妄想が実現することなく、訓練を終えようとしていた。

そんな今日、食堂で、モンゴル隊員のUさんから突然声を掛けられ、モンゴル語の

先生に引き合わされ、こう頼まれた。「実は今、ケニアに派遣中の隊員が、カメラを
盗まれて困っているので、新しいカメラを届けてあげてくれないかしら。」

? ? ?

お安い御用ですが、なぜモンゴル語の先生からケニア隊員の話が・・?
私が不思議に思っていると、先生は驚くべきことを答えられた。

「その隊員のお父さんが、KTCのネパール語の先生で、昔から仲良くしてるのよ。
 今回お父さんから頼まれてね。」

???  「ネパール???」 私は聞き返してしまった。
こんな偶然って・・・(@_@)

バッグから紙を取り出して、携帯電話の番号と、デヴァナーガリー文字で私の名前

を書いて、モンゴル語の先生に渡した。夜、さっそくネパール語の先生、Sayami-ji
から電話をもらった。 Sayami-jiも、私がネパールを好きだという偶然を喜んで、「な
にかの縁ですね。」 と言って下さった。年末に東京でお会いして、直接カメラをお預
かりすることになった。

NTCにはケニア隊員が16人いる。Uさんは、その中から、何の接点もない私に声を

掛けてくれた。もし彼が他の人に声を掛けていたら、ケニアとKTCとNTCでこんなや
りとりがあったこと、私は知らなかったに違いない。

妄想の挙句の、訓練終了3日前のこの出来事。
iPodの怪奇現象に続く、今回の件。 私のwill powerは相当に強いらしい。
ネパールとの強い縁を感じずにはいられない。

「まだお前はケニアに行かなくったっていいんだよ。
またネパールに来てもいいんだよ。」ってネパールが言ってくれているような気がした。

Sayami-jiとお会いするのが楽しみだ。