隊員総会(2010年下半期)

昨日、今日とナイロビで隊員総会があった。

新しい隊員も増え、今や100人規模になったケニアJICAボランティア。
普段会うことのない隊員といろいろな悩み相談ができる貴重な場。

事業仕分けにより、来年以降の開催は不確定。
疑問を感じる部分も多くある協力隊事業だが、誰かの言葉通り、
“事業仕分けは現場で頑張っている隊員の活動を狭めるものではない”はず・・

公平な国民の目に、より良い事業になったと映るような変化が
望まれています。
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写真はナクル湖国立公園上空をゆったりと舞うペリカンの群れ。

副大統領表敬訪問

今日はケニア副大統領カロンゾ・ムシオカ氏を、
青年海外協力隊&シニアボランティアが表敬訪問した。

ボランティアひとりひとりと握手してくれたりと、
かなりの時間を割いて下さった。

語学の堪能な隊員が氏の母語カンバ語であいさつして
驚かせたり、黒帯所有の隊員が空手を披露したりと、
日本について好印象を残せたのではないかと思う。
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写真は家の近所で撮影した仔シマウマ。

世界エイズ・デー

今日は世界エイズ・デー。

KWSエイズ対策チームの人たちと一緒に、ナクルから車で1時間
ほどのところにある町Moloでの啓発イベントに参加した。

町内5kmパレード

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歌(美しいハーモニーで会場も大いに沸いた)
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こどもたちによる詩の朗読

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劇(HIV陽性者による感染予防啓発劇
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後日、この劇を見た同僚が、別の同僚に
こう話をしていた。
「パッと見たら誰もHIV陽性者になんて見え
ないわよ。エイズ
予防薬ってすごいわね。」

こういう口コミで、エイズ検査を積極的に受ける人が増え、
早期発見、早期治療
につながれば良いな、と思った。

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今日のイベントの主催者であるNational AIDs Control Councilの
オニャンゴ氏の演説は、ケニアの役職者にありがちな表面的な
内容ではなく、感銘を受けた。

氏ははじめに、”ケニアで使われているHIV/AIDs対策関連予算の
75%が海外からのものだが、それは問題ではないか”と投げかけ、
またそれだけのお金をもらうのであれば、予算の使途のみでなく、
対策の結果どれだけの感染予防効果があったかについても説明
責任がある、イベントをやっておしまい、Tシャツを作っておしまい
ではないのだ、と説いた。

さらにイベントが進み、疲れた参加者のあいだに私語が多くなって
くると、サッと立ち上がり、マイクをつかみ、「残念ながらケニア人
には”読むこと、聴くことが得意でない人が多い。その半面、批判
ばかりする。それも代替案を示さない批判を。人が話している時

にはきちんと話を聞きましょう!」と言った。

その通り!ケニアで、これだけ先進国に近い考え方を持っている
人はなかなかいない。

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このオニャンゴ氏、実は同期隊員Eっちの直属の上司でもある。

こんな良識のある上司(さらに英語もスワヒリ語も流暢)のもとで
けるなんて恵まれているな、と思った。

それと同時に、私たちボラ
ンティアがケニアで過ごす時間は、
泣いても笑ってもたかが2年間、”先進国的”良識を持っている
ケニア人が、”ケニアの常識・慣習”
と一緒に生きていく時間を
思うと辛いような気がした。




【参考】
ケニアにおけるエイズ孤児は約200万人。ナクルを擁する
リフト・バレー州と、ウガンダと国境を接するニャンザ州の2州だけ
でケニアにおける成人の
HIV感染者の50%を占める。