パーク・クリーン・アップ

いつものごとく、朝、上司が突然オフィスに入って来て言った。
「ゴミ拾い行く?」

ということで、昨日に続き本日も清掃活動をすることに。
今日の舞台はナクル湖国立公園


まずは上司と一緒に車に乗って、清掃ポイントを査定。
結果、公園の入口付近のフェンス沿いを清掃することに決まった。

まずは車でバッファローを追い払い(ゴメンナサイ)、武器を持った
レンジャーをお供にゴミ拾い。

ナクル湖国立公園は町に隣接する国立公園だが、どれくらい隣接している
かというと、これくらい
である。(下の写真参照。フェンスの左側が公園、
右側が住宅地。)












公園の入口付近に住む住民はあまり教育レベルも高くなく、所得も高く
ない。ビニール袋を中心に、ゴム草履、乾電池、プラスチックの酒ボトル・・
なんでも捨てられている。

それが風に乗って、フェンスを越えて、野生動物が歩き回る草原に入り
込むのはまったく簡単なことである。そこにどんな危険なゴミが含まれて
いるかも知らずに、こどもたちはゴミの上を元気に歩き回っている。











今日の参加者は公園の奥の方で、隣接したコミュニティの人々。
バスを降りると、グローブと麻袋を手に、草原に散り、ゴミを拾い始めた。












どれだけゴミを拾っても、コミュニティの人たちがゴミを捨て続けたら
意味がないよね、と同僚と話していたら、なんと公園入口のコミュニ
ティの人たちも、麻袋を受け取って、自分たちの家の周辺(フェンス
の外側)のゴミを拾い始めたではないか!

素晴らしいな~と嬉しい気持ちになっていたら、上司ともめている。
なんと、ゴミ拾いをしたから日当をくれ、と要求してきた。シンナーでも
吸っているのか、表情がうつろだ。
(写真手前が上司、奥がコミュニティの人々)

自分で捨てたゴミだよね?などという理屈は通じない。嫌になるほど
実にケニアらしい・・

上司は「タダであげられる日当はありません。」と要求をはねつけ、
「でも公園内で仕事(日雇いの、主に重労働)があれば呼びますから
仕事をしてから日当をもらって下さい。」と説明していた。

コミュニティ相手の仕事は本当に複雑で難しい。
日本人の私にはなかなか理解が及ばない。











ゴミ拾いを終えて重量計測。数値は低い方が良いのだが、大きな
数値目標は参加者のモチベーションになる。












参加者にジュースとパンが配られ、上司が環境保全に関する
野外レクチャーをする。これが大事だと思う。これがなかったら
単に”ジュースとパンをもらって動物を見る日”になってしまい
かねない。

公園内の自然を維持するにはあなたたちコミュニティの協力
が不可欠で、あなたたちは本当に良くやってくれています、と
励ます。

ケニアは権力社会なので、一般市民が国家組織であるKWSの
ワーデンから直々にお褒めの言葉をもらうというは彼らの自信
につながるようだ。

私は上司は話が長いのが玉にキズだが、話もうまく、情熱的
なので、コミュニティとの対話に向いた人材だ。











久しぶりに職場のイベントに参加できて私も嬉しかった。
お疲れ様でした。