あるべき生態

私の悪魔、つまりバブーンについてだが、家やオフィスのゴミを
あさるばかりか、買い物袋を下げていると襲い掛かってくる天敵
ではあるが、同時に生息地破壊の被害者でもある。











今日、オフィスの前を通った若いバブーンが生えている草をむしり
とって食べているのを見て、これが彼らのあるべき生態なんだよな、
と思った。彼らの生息地を改変しただけじゃなく、簡単に手に入る
食料によって彼らの嗜好を変えてしまったのは私たち。自然界に
いるバブーンはパンの味もウガリの味も知らないのだから。

10年以上前にヨセミテ国立公園に行ったとき、ゴミ箱にクマ除け
の鉄格子がついていたのを覚えている。クマがゴミ箱のある場所
に出没して人間と遭遇するのを防ぐのと同時に、クマが人間の
ゴミを食べるようになって、生態を変えてしまうのを防ぐための
措置でもあったと記憶している。

バブーンは生息数も多く、人間に及ぼしうる被害の程度もクマの
それとは大きく異なる。しかしだからといってバブーン対策を諦める
てしまうのも良くない。せめて職員住宅内のゴミ捨て場だけでも
焼却炉を導入できないものだろうか。野生動物に餌付けを
してしまっている、という意識を職員ももっと持つべきだと思う。