遠く湖の上を、ピンクの線が一直線になって移動していく。
少しして直線のままひとつ所に落ち着いた。
きれいだなぁ・・・














さて、いかにケニア人がポレポレ(のんびり) か、
同僚の本日の動きを紹介する。

朝。
「今日は午後から出張授業よ。2時に出発するから。」




午後2時。
お昼ご飯を食べ終わり、携帯を充電しに家に帰る同僚。



それから(歩けば5分の)エデュケーションに戻る車を
待つこと1時間。エデュケーションに戻って準備をして、
別の車を待って、学校に着いたのは午後4時。


「あら教室に誰もいないみたい。みんな帰っちゃったみたいね。」

「・・・・・(それでいいの?)・・・・・」

そんな彼らも授業となるとプロフェッショナル。
こどもたちの心をつかむのもうまいし、よく喋る。

















今日の出張授業は全寮制の私立の女子高。
私たちの車を見ると、寮の部屋から子供たちが
飛び出して来た。なんとも賑やか。

ケニアには大勢の外国人が住んでいるが、それ
でもなお、こどもだちは外国人が好きらしい。日
本人芸能人並みに握手を求められ、ちょっとスワ
ヒリ語で挨拶しようものなら拍手喝采。

いや、待って、待って。本当の拍手は、ちゃんと
スワヒリ語で授業できるようになってから・・

任地1日目

大工のKさんが上司マダムZに連絡を入れてくれて、
今日は10時出勤ということにしてもらった。

8時に目を覚まし、窓を開ける。バッファローの
群れ、それから遠くにインパラの群れも見える。












小鳥のさえずりがあちこちで聞こえる。屋根に燕
の巣があり、私が窓に近寄るたびに飛び立つ。

扉を開けて外に出ると、柵の上にバブーンの姿が!
大きいっ!!私の方を振り返りながら草原に消えて
行った。新顔だと思っているのだろう。戦いのゴン
グが頭の中で鳴り響いた気がした。

バブーンに侵入されると困るので、扉を閉める。
そうでなかったら、扉を開けておいても犯罪の可
能性は低い。隣近所はみんなすべての窓を大開放
している。

顔を洗って、マンゴーを食べて、掃除を始める。

私の家はコンクリ敷きだ。ケニア人は家の中でも
靴をはいているようだが、日本人としては裸足が
いい。どうしたものかと悩んでいたら、昨日、
スーパーでゴザを見つけた。1枚165シル(約200
円)。日本のゴザほど丈夫ではなさそう。差し当
たり10枚購入してみた。














同じく昨日購入したケニアのほうき(植物の茎を
粗く束ねたもので、1本25~30シル(30円前後))
で床を掃き、雑巾で水ぶきしてから、ゴザを敷き
詰めてみた。まだ家具はなにもないけど、これで
座れるようになった。

しかし如何せん、窓の外はサバンナ。窓にはバ
ブーン除け(?)の網があるだけで、虫も砂埃
も入り放題。裸足生活を続けるならコマ目に掃
除しないと。トカゲを踏んじゃうくらいなら良
いけど、危険な生き物を踏んじゃわないよう、
なにか工夫しないとな~。






本赴任

いよいよ本赴任。朝6時すぎから、なかまが続々と
出発していくのを、マンゴーを食べながら見送る。
任地の近い私とEっちはのんびりと8時出発。

Eっちの提案で、ナイロビから任地までタクシーを
利用。高くつくな~と思ったけど、逆に台所用品
などの大きな物をナイロビで買い揃えて運べたので
良かった。

天気は快晴!運転手のBさんは感じの良い人!
滑り出し好調!













道中にアフリカ地溝帯(Great Rift Valley)の
ビューポイントがあり、観光客向けの土産物屋が

並んでいる。タクシーなのでちょっと降りてみること
もできる。木製のスプーンを売りつけられる。














途中、Eっちの任地を通過。Eっちはここで下車。
何でもありそうだが、大き過ぎない。すごく良い町
だ。これくらいの町だと良かったな。


町のはずれでBさんのいとこにばったり。旅は道
連れということで、いとこもナクルまで同乗するこ
とに。いとこに会えてBさんはご機嫌。寝不足だっ
私はつい眠ってしまった。



















ナクルに着き、国立公園内の私の家まで案内する。
2人とも物珍しそうに辺りを見回して、「あ!洞窟が
ある!」とか「いい所だね。すごく静かだ。」と言う。

荷物を家に運び込み、町まで送ってもらう。
チップを要求されるかと思ったけど、とても気持ち
良く見送ってもらった。良い人だ~。

今日はガスとベッド・マットだけ買えば良かったのだが、
買える物はみんな買ってしまおうと力を入れすぎて、
挙句、迎えの車を1時間半待ち、家に帰って来たのは
6時すぎだった。おかげで家具屋は閉まってしまい、
ベッドを回収できなかった。仕方なくコンクリの床に
マットレスを敷いて寝ることにする。それからカーテン
をつけて、電球をつけて、ガスをつけて、シャワー用
ヒーターをつけて・・

あれ???

ダイニングの電気がつかない!
ガスのアジャスターが壊れてる!
シャワー用ヒーターが壊れてる!


















ということで、KWS大工のKさんも私もヘトヘト。
「明日にしようか・・」とKさんを見送るや否や
マットレスに倒れ込んで爆睡してしまった。

虫の声が賑やかなPM9時・・・


ナイロビ最終日











明日はいよいよ本赴任。今日はナイロビ最終日。
JICA事務所で最終オリエンテーションがあった。

写真はマラリア検査キット。
高熱が出たら、キットに含まれる針で指先を刺し、
右から2番目の穴に血を1滴垂らす。右の穴には
同じくキットに含まれる試薬を3滴ほど垂らし、
長楕円形の穴に結果が現れるのをしばし待つ。

陰性なら、上のキットのように、左端に縦の線が
1本だけ現れる。これは友達の。

陽性なら、下のキットのように、縦の線が複数
現れる。これは三日熱マラリアと熱帯熱マラリア
両方に感染している。これは私のキット。

え???

「あ、このキット古いからね。熱ないでしょ?」と
健康管理員。

まあ、貴重なものを見たということで・・

最後の日曜日@みその

今日は最後の日曜日。
韓国人が営む日本料理屋「みその」へ。












佇まいは和風。お店の中は韓国人や西洋人の
お客さんでなかなか繁盛しているよう様子。

壁に「徳川家康」「織田信長」と書かれたのぼりが。
と来れば、残りひとつは 豊臣秀吉だと思うのだが、
「上杉謙信」。

なぜ!?「韓国人オーナーだからじゃ ない?」と
Yさん。そうか~・・しかしその3人は 並ばないと
思うんだけど・・















Jさんとふたりで、魚介コースというのをひとつと、
冷やし素麺と味噌ナスを注文。お寿司もあって、
どれも美味しかった。

でも最後にレシートを見てびっくり。
最後の日曜日らしい贅沢だった。

ナイロビ語学訓練最終日

私たち環境教育隊員3人は、NTCでの約2ヵ月間の
語学訓練に加え、ナイロビでも約1カ月半の語学訓
練を 受けてきた。

ナイロビでの語学訓練の最終日には、
JICAの担当
者も招いてスワヒリ語で成果発表をすることになって
いる。Advanced Classは劇をやるのが慣習になっ
ていると聞き、私たちは環境劇をやろうと計画した。

ところが前日の夕方になってUが突然「つまんない!」
と言って、計画変更を提案。他のボランティアや先生
からスワヒリ語で質問を受けて、 それにスワヒリ語で
答えるQ&A形式の発表をすることにした。

「NTCとナイロビの語学訓練の違いは?」
「環境の世界で尊敬する人は?その理由は?」
などの質問があり、拙いながらも自分たちの意見を言う
ことができた。完全アドリブで先生にも内緒で計画変更
したけど、私たちらしい姿を見せられて、おもしろい発表
だったのではないかと思う。

もう明日からは間違いだらけのスワヒリ語を理解してくれ
る人も、平易なスワヒリ語で話してくれる人もいなくなる。
そう思うと緊張する。まだまだ仕事で使えるレベルには
なっていない。

ともあれ語学訓練は本当に今日で終わり。
JACIIの上田先生、ナイロビでお世話になった皆様、
どうもありがとうございました。


St.Valentine's Day














しつこいようだが、ケニアはキリスト教国家だ。
今日、レストランで勉強していたら、同期隊員のFさん(♂)
が赤いTシャツを着て現れた。「さすが!」と声を掛けると
怪訝な顔。「ケニアではバレンタインに赤い服を着るんだっ
てね。」と言うと「えっ?」と驚いたFさん。見回せば、レスト
ランには赤いシャツの男性が他にも3人(笑)どうやら知ら
ずに着ていたらしく、恥ずかしそうだった。
ホテルの玄関、廊下、レストランが赤い風船で飾り付けされ
フロント・スタッフも赤いシャツを着ている。
部屋に戻ると、机の上には一輪のバラ。別の同期隊員T
さん(♂)も赤いバラのミニブーケを届けてくれた。
ちょっと嬉しいバレンタイン。

動物個体数調査@ナイロビ国立公園

ケニア在住36年、ダクタリ・カンベ(Doctor Kambe)こと
神戸俊平獣医師にお声掛け頂き、ケニア野生生物公社
(KWS=私の配属先)による動物個体数定期調査に参加
させてもらった。











初めて入るナイロビ国立公園。首都にこれだけの広さの
公園を確保できているのはすごい。しかしナクル湖国立
公園と比べたら、動物の生息密度は圧倒的に低い。
ナイロビ国立公園には柵がないので、動物は公園内外
を行き来できるのが原因のひとつだとか。













それでも、入っていきなりライオンの家族(見にくいけれど
4頭いる)に遭遇する幸運に恵まれた。車のすぐそばの
茂みにいたため、間近に見ることができて感動した。
















神戸先生の車には、私たちJOCV4人、NGOスタッフの
日本人2人、日本人留学生1人の他に、Nature Kenya
というNGOのスタッフ1人が乗車。彼は非常に知識豊富
で、いろいろな話が聞けておもしろかった。

例えばこのアカシア。普通のアカシアと違い、枝にコブの
ようなものをもっていて、ここにアリが巣食っている。
キリンなどの動物は、普通のアカシアを食べるがこの
アカシアは食べないそう。アカシアを食べようとするとアリ
も一緒に食べることになってしまい、酸っぱくて嫌がるの
だそうだ。

彼はケニア人らしく、視力が非常に良く、遠くの丘で草を
食んでいたクロサイを見つけてくれた。IUCNレッドリスト
絶滅危惧ⅠA類(Critically Endangered)のクロサイ
見られたのは嬉しかった。












また彼曰く、
「シマウマのオスとメス、どうやって見分けるか知ってる?」
「知らな-い・・」
「オスは白地に黒い縞模様で、
 メスは黒地に白い縞模様があるんだよ。」
「・・・・・ケニアン・ジョーク?・・・・・」



学ぶべきことがたくさん!



アフリカと神戸俊平友の会
http://www.s-kambevet.org/

任地訪問

ナイロビでの語学訓練は少しお休みして、2日から

4日間、挨拶と下見のため任地を訪問した。

2009年2月11日の合格発表からほぼ丸1年。
ついに任地、ナクル湖国立公園へ!

ケニア第4の都市ナクルはナイロビから北西120km
に位置し、バスに乗れば約2時間半で着く。ケニア
8州のうちリフトバレー州に属していて、移動途中の
車窓からは大地溝帯らしい風景が望める。












ナクルの都市に隣接するナクル湖国立公園
は、面積180km2と、ケニアの中ではとても
小さな公園。公園面積の約半分(山の手線
の内側と同じくらいの面積)を湖が占めている。












私の直属の上司、マダムZに挨拶し、仕事内容全体
の説明を受ける。それから公園のトップであるマダム
Lにも挨拶。

それから、同僚のMに職場である教育センターを案内
してもらう。職場からは草原と湖が見渡せる。ライオン
が来ることもあるから気をつけてね、と忠告される。













今回、幸運にもスタッフの車に乗せてもらって、
園内を 見せてもらった。園内は山がちで、想像
していた 以上に狭く感じたが、動物にはたくさん
会うことができた。シマウマ、インパラ、オリーブ
モンキー、グラントガゼル、バッファロー、フラミンゴ、
バブーン、ブチハイエナ、シロサイ etc...













ひとまずナイロビに戻り、のこり2週間の語学訓練を
終えたら2月末に本赴任となる。

憧れていたサバンナでの生活がいよいよ始まる。