タウン・クリーン・アップ?

出張授業に通っているKimathi小学校の先生から、小学生を対象にした
ナクル・タウンの清掃イベントがあるから、一緒に行かない?と声をかけ
てもらった。

8時にナクル駅で、と言われたが、どうせ遅れるだろうと考え、9時ごろ
着くように出かけた。

駅にはこどもたちが集まっていたが、案の定イベントは始まっていなかった。
しばらくすると、参加者の登録と、参加賞のTシャツの配布が始まった。

Kimathi小学校の校長先生が脅すように、「今日はゴミを拾ってトイレ
掃除までするんだぞ!美穂にできるかな?」と言う。
ケニアでは高等
教育を受けた人がゴミ拾いや掃除なんてするものではないと思われ
ている。
「モチロンしますよ!」と答えたら笑われた

何かが始まる気配は一向にない。(①時間に遅れる)

10時ごろ、主催者らしき白人のグループが到着した。
マーチング・バンドが演奏を始めて、いよいよイベントの始まり
かと思ったら、尻切れトンボな感じで演奏が終わってしまった。

そしてまた待つ。
何かが始まる気配がないばかりか、
なぜ開始が遅れているのかという説明ももちろんない。
(②時間に遅れるのが当然で状況説明がない)

待たされることに慣れているケニアのこどもたちは退屈な様子
など微塵も見せずに、手遊びなどで時間を潰している。










待つこと3時間、11時頃、こどもたちにホウキやモップが手渡され、
ようやくパレードが始まった。こどもたちが持った横断幕を見て
初めて、今日のイベントがフィンランドのHameenlinnanという町と
ナクル市役所の共同イベントであることを知る。
(③イベント内容の詳細などが参加者に十分に周知されない)

駅のある高台からマタツでごった返すステージを抜け、町の入口
にあるラウンド・アバウトを回り、目抜き通りケニヤッタ・アベニュー
に入る。












着いた先はニャヨ・ガーデン。町の端にある市民公園である。
公園の奥に来賓用のテントとイスはセッティングされていたものの、
参加者のテントはない。

乾期のケニア、赤道直下、炎天下。当然こどもたちは木陰を
探し、来賓から離れてバラバラに地面に腰を下ろす。
(④主役は来賓で参加者無視)










こうして無事イベントは始まったのだが、イベントの司会者が酷かった。
外国人が主催のイベントだというのに英語が話せないようで、進行は
もっぱらスワヒリ語で行われた。

来賓あいさつの段取りでは、
フィンランドをホーランドだっけ、デンマー
クだっけ、と言い間違えた挙句、
来賓の名前を知らず、「フィンランドから
のお客さんですけど、名前がわからないんですよね。(ケニア側来賓の)
●●さんに似てるから、フィンランドの●●さんって呼びましょうね。」
という失礼極まりない態度。

ケニアのイベントの司会者というのはコメディアンもどきのような
おもしろおかしいことを言う人が多いのだが、(日本人の感覚では)
下品でくどい冗談を繰り返し、辟易した。(⑤司会者に品がない)

来賓のあいさつの後、来賓やこどもたちの手で公園内に木が植えられた。
フィンランドからの来賓が、苗木の入ったプラスチック・カバーを指し、
「これは捨てずにゴミ箱に入れましょうね。」などと一生懸命声を張り上げて
いたが、押し寄せるこどもたちの歓声に掻き消される。
(⑥秩序を守らせる人も道具もない)

Kimathi小学校のこどもたちも苗木を1本、植えさせてもらった。










次はお決まりの”出し物”。各校が詩の朗読、民族ダンス、歌などを
披露。Kimathi小学校のこどもたちは”木を植えよう”という趣旨の詩を
披露した。








早く終わらせろばかりに司会者にあおられ、各校の出し物が終わった
午後2時、遅いランチが配られる。(⑦開始が遅れても気にせず、
途中で
急ぐことなく
プログラムもずれ込み続ける)これ夕方遅くまで続くのかなー・・
と思っていたら、なんとイベントが終わってしまった。

え?ゴミ拾いは・・?

「もう遅くなったから、しないんじゃない・・?」
(⑧プログラムを詰め込むクセがあり、そのくせに開始が2時間ほど遅れる
のが普通なので、結果として準備したプログラムが終わらない)

ごみ箱が見当たらず、こどもたちはランチで出たゴミをそのまま公園に放置。
(⑨テーマにフォーカスしたプログラムでないため環境イベントの意味がない)

以上、ケニアのイベントの悪いところオンパレード(①~⑨)の本日のイベント
でした。がっかり。