雨がゴミを運ぶ
















ケニアは雨季。ここナクルでも毎日雨が降っている。とはいえ、日本の梅雨
のように1日中雨が降り続くような日はなく、主に夕方、時として夜、昼だけ
ドシャーッと降り、あとはカラッとしている。

廃棄物回収システムが不十分なケニアでは、人はゴミを道端にポイ捨てする。
下水システムが不十分なケニアでは、道端に捨てられたゴミは、雨により
地表を流れ、標高の低いナクル湖まで運ばれる。

ナクル湖国立公園の表参道、町からメイン・ゲートに続く道が、雨に運ばれて
来たゴミでいっぱいになっている。

固形廃棄物による環境汚染はここまで目に明らかである。



Bhahati yangu(運)
















赴任から2カ月。職場に慣れるに従って、そろそろ改善すべき点を改善して
いきたいな、と思っているが、日本人の常識的に正しいこと(遅刻はしない、
約束は守る)や環境的に正しいこと(イベントの前後にちゃんと講義をする、
アイドリング・ストップをする)などがケニア人に通じないことが多く、最近周
囲と衝突してばかりだった。

しかし今日は、昨日のEっちの言葉の通り、ごく単純に「いいこと」があった。

なんと50ドルを拾ってしまった!

お昼ごはんを食べに行ったメイン・ゲート脇のレストランの前に札束がポトッ

と落ちていた。公園に入る前にレストランに寄るお客さんは少ないだろうか
ら、お金を落としたお客さんは、おそらくもう公園を出てしまっているだろう。
5シルくらいならポケットに入れてしまうところだが、50ドル。日本人の私に
したって大きな額だ。

とりあえずメイン・ゲートに届け、「お金を落とした、っていうお客さんがいた
ら渡してあげてね。」とお願いした。 レストランに戻ると、友達やなんと上司
からさえ 「も~!どうして届けたりしたの?あれはbhahati yako(あなた
の運)だよ。」 と言われた。

つまり、「もらっちゃいなさい」と。

日本だったら拾ったお金は交番に届ける。持ち主が現れれば万歳。現れ
なければ拾得者の持ち物になる。 (民法第240条)良い法律だ。

小さい頃、父親と歩いていて10円玉を拾ったことがある。父親は「10円
取りに来る人はいないからお前が使いなさい。」と言ったけれど、父親に
ついて来てもらって交番に届けた。お巡りさんは、「ありがとう。」と言って、
自分の財布から10円玉を出して私にくれた。10円がもらえて嬉しかったけ
れど、それはつまりお巡りさんも父親同様、10円を取りに来る人はいない
思ってるということで、なんだか悲しかった。

ケニアでは、お金をひろっても交番に届けなくてもいいし、メイン・ゲートに
届けなくてもいいらしい。それがケニアの常識らしい。 不正、賄賂が横行
するケニアの社会を見ていたら、市民が拾ったお金を警察に届けようと思
わないのは当然かもしれない。

上司の言葉に従って、メイン・ゲートに戻り、「お金は私が預かっておくか

らお客さんが来たら私に電話して。」と言ってお金をもらってきた。

さあ、bhahati yangu(私の運)。この50ドルをどうしよう?この50ドルから
私の幸運が始まると信じてる。

事実、「拾った50ドルをメイン・ゲートに届けた」と報告したら、久しぶりに
上司がいつもみたいに笑って話してくれた。今日から挽回!



写真はナクル湖国立公園のロスチャイルド・キリン

明日から良くなるよ













 配属先に文句を言い続けた挙句、ようやく家の修理が始まった。修理と言っても
大したことはない。裏口に鍵をつける、窓に取っ手をつける、ドアに取っ手をつける、
古くなった排水管を取り換える、閉まらないドアを削って閉まるようにする等々、小
さな作業ばかりだ。

 大工さんがトンカンやっている間、JICA事務所から1本の電話があり、ショックな
ニュースを聞かされた。先月後半からどうもついていないことが続いていたけど、こ
のための序章だったのか、と思った。

 夜、Eっちに電話をしてその話をすると、「そんなにショックなの?」と笑われ、「も
う落ちるところまで落ちたんだから明日から良くなるよ。」と言われた。Eっちの楽天
的な言葉に励まされる思いがした。



写真は昨日行ったエレメンタイタ湖

水質調査

気分転換を兼ねて、KWSナクル湖国立公園リサーチ部門とNAWASSCO
(環境 コンサルティングを行っている私企業。ナクル市の出資により設立)
の水質 サンプリングに同行させてもらった。(撮影:E-3)















まずはナクル湖国立公園内5カ所でサンプリング。エデュケーション・センター
の仕事では行かない地域に行け、今まで見たことがなかった動物も見ること
ができた。

クロサイ(Black Rhino)(Diceros bicornis)IUCNレッドリストCritically

Endangered(絶滅危惧種)。ワシントン条約付属書Ⅰ 類掲載。ナクル湖国
公園にはクロサイ保護のためのサンクチュアリがあり、個体数は50頭まで
増加している。森林性のため、草原性のシロサイと比較して見つけにくい。













モモイロペリカン(Great White Pelican)(Pelecanus onocrotalus
昔、絵本で読んで以来、あこがれていた鳥。家に帰ってさっそくデスク・

トップの写真にした。 ペリカンはコウノトリ目なんだね。知らなかった。













その他、写真はうまく撮れなかったけれど、サンショクウミワシ(African Fish
Eagle)(Haliaeetus vocifer)、 ヒメカワセミ(Pied Kingfisher)(Ceryle
rudis)も見られた。












それからナクル湖の南東10kmほどのところにあるエレメンタイタ湖(ナクル
湖と同じくアルカリ性の湖)へ。国立公園ではない、小さな湖だが、ナクル
湖より多くのフラミ ンゴが見られた。少女マンガのような顔をしたディクディ
(Kirk's dikdik)(Madoquakirkii) もかわいかった。












写真はエレメンタイタ湖にて、水のサンプリングのため、湖の中心部へ向かう
NAWASSCO職員。ご覧の通り、湖は浅い。手前に写っているのがカワウ
(Great Cormorant)Phalacrocorax carbo)、遠くに写っているのがフラミンゴ。


リサーチ部門の職員は、さすがに知識が豊富。同じ景色を見ているけれど
知識がなければ見えていないのも同じだな~と感じた。

今日はとても良い気分転換になった。

足を延ばして











 私が勤務するエデュケーション・センターのすぐ前に、JICAとナクル市が共同出資
して建てた水質検査所がある。兼ねてより関心があったのだが、エデュケーション・
センター以外の人とのつながりを作ろうと、今日初訪問。

 JOCVだと名乗ると快く迎えてくれた。昨日、ナクル湖面で水質調査用のボートを見
たと話すと、ちょうど今がKWSのリサーチ部門と共同で行っている月に一度の水質調
査のサンプリングの時期だと言う。明日はナクル湖から南東に約10kmのところにあ
るエレメンタイタ湖のサンプリングに行くと言う。ラッキー♪

 そのままリサーチ部門の事務所へ行き、明日の調査に同行させてもらえないか依
頼。 歓迎はされなかったが、承諾してもらった。エデュケーション・センターの上司に
報告すると、こちらも渋い声。しかし、自分の仕事に消極的な同僚を待ちながら日が
な 一日事務所でPCをいじっているよりも、時間を有意義に使いたい。上司も私の気
持ち はわかっているはずだ。