隊員総会(2010年下半期)

昨日、今日とナイロビで隊員総会があった。

新しい隊員も増え、今や100人規模になったケニアJICAボランティア。
普段会うことのない隊員といろいろな悩み相談ができる貴重な場。

事業仕分けにより、来年以降の開催は不確定。
疑問を感じる部分も多くある協力隊事業だが、誰かの言葉通り、
“事業仕分けは現場で頑張っている隊員の活動を狭めるものではない”はず・・

公平な国民の目に、より良い事業になったと映るような変化が
望まれています。
168●

写真はナクル湖国立公園上空をゆったりと舞うペリカンの群れ。

副大統領表敬訪問

今日はケニア副大統領カロンゾ・ムシオカ氏を、
青年海外協力隊&シニアボランティアが表敬訪問した。

ボランティアひとりひとりと握手してくれたりと、
かなりの時間を割いて下さった。

語学の堪能な隊員が氏の母語カンバ語であいさつして
驚かせたり、黒帯所有の隊員が空手を披露したりと、
日本について好印象を残せたのではないかと思う。
058●

写真は家の近所で撮影した仔シマウマ。

世界エイズ・デー

今日は世界エイズ・デー。

KWSエイズ対策チームの人たちと一緒に、ナクルから車で1時間
ほどのところにある町Moloでの啓発イベントに参加した。

町内5kmパレード

090■

014-■

歌(美しいハーモニーで会場も大いに沸いた)
105■

こどもたちによる詩の朗読

111■

劇(HIV陽性者による感染予防啓発劇
121■

後日、この劇を見た同僚が、別の同僚に
こう話をしていた。
「パッと見たら誰もHIV陽性者になんて見え
ないわよ。エイズ
予防薬ってすごいわね。」

こういう口コミで、エイズ検査を積極的に受ける人が増え、
早期発見、早期治療
につながれば良いな、と思った。

096■

今日のイベントの主催者であるNational AIDs Control Councilの
オニャンゴ氏の演説は、ケニアの役職者にありがちな表面的な
内容ではなく、感銘を受けた。

氏ははじめに、”ケニアで使われているHIV/AIDs対策関連予算の
75%が海外からのものだが、それは問題ではないか”と投げかけ、
またそれだけのお金をもらうのであれば、予算の使途のみでなく、
対策の結果どれだけの感染予防効果があったかについても説明
責任がある、イベントをやっておしまい、Tシャツを作っておしまい
ではないのだ、と説いた。

さらにイベントが進み、疲れた参加者のあいだに私語が多くなって
くると、サッと立ち上がり、マイクをつかみ、「残念ながらケニア人
には”読むこと、聴くことが得意でない人が多い。その半面、批判
ばかりする。それも代替案を示さない批判を。人が話している時

にはきちんと話を聞きましょう!」と言った。

その通り!ケニアで、これだけ先進国に近い考え方を持っている
人はなかなかいない。

098■

このオニャンゴ氏、実は同期隊員Eっちの直属の上司でもある。

こんな良識のある上司(さらに英語もスワヒリ語も流暢)のもとで
けるなんて恵まれているな、と思った。

それと同時に、私たちボラ
ンティアがケニアで過ごす時間は、
泣いても笑ってもたかが2年間、”先進国的”良識を持っている
ケニア人が、”ケニアの常識・慣習”
と一緒に生きていく時間を
思うと辛いような気がした。




【参考】
ケニアにおけるエイズ孤児は約200万人。ナクルを擁する
リフト・バレー州と、ウガンダと国境を接するニャンザ州の2州だけ
でケニアにおける成人の
HIV感染者の50%を占める。

停電の夜に

今日は帰りの車が満員で乗れなかった。

天気も良かったので初めて歩いて帰宅してみた。

5時に事務所を出て、6時に家に着くと、珍しく停電していた。

普段なら10分ほどで電気が戻るのだが、夕食を終え、
8時になってもまだ電気は戻らない。

玄関の扉を開けて外に出てみると、草むらに自分の影が
くっきりと映るほど月が明るい。

4軒並びの隣近所のうち2軒は留守。

静かな草原。

思わず草原を駆け回って、でたらめにジャンプしてみた。
とても気持ちがいい。

月明かりの草原から、インパラのくぐもった鳴き声が聴こえた。

この実なんの実?

ケリチョのホテルで嬉しい再会があった。

数年前、東京で金井一郎さんの植物ランプ展というのを
見に行った。その時、小鳥のような形をした素敵な実に
惹かれ、そのランプを購入したのだが、ケリチョのホテル
の庭に、同じ実が落ちているのを発見したのだ。

枝からさらに細い枝を伸ばし、複数の実をつけるらしい。
222▲
乾燥してはじけた実の中には、さらに複数の種子。
226▲
樹形はこんなで・・
224▲
葉はこんな。
223▲
不勉強ゆえ、いまだに木の名前がわからない。

どなたかご存知の方がいらしたら、教えて頂けたら
大変嬉しいです。



【参照】金井一郎の植物ランプ2008 (於アスクエア神田ギャラリー)
    http://asquare.jp/kanaiichiro.htm

Kericho茶畑散策

ケニアの紅茶輸出量は世界第1位(生産量は第3位)で、茶はケニアの
総外国為替収入の約26%を占める第3位の外貨獲得産業である(在日
ケニア大使館HPより)。

しかしながら、とても正直に、とても残念ながら、ケニアの紅茶をおいしい
と思ったことはない。香りがないのである。途上国の常として、国内で生
産される高品質の茶葉はヨーロッパに輸出されてしまうため、ケニア国
民が飲める紅茶の質は決して高くない。

ナロクからの帰り、マタツに置いて行かれてしまい、ナクルに着くのが
遅くなりそうだったので、途中の町ケリチョに1泊して帰ることにした。

ケリチョはケニア随一の紅茶の生産地としてて有名で、前から行きたい
と思っていた。

269-●

また町の外れにはその名もずばりティー・ホテルというホテルがあり、
そこに泊ってみたいという思いもあった。植民地時代にブルック・ボンド家
のゲスト・ハウスとして建てられ、今もその面影を残すホテルとして評判。

ケニアの紅茶のことをもっと知りたい。そしてもしかしたらケリチョに行けば
おいしい紅茶が飲めるのかも?との期待をこめ、ティー・ホテルに1泊し、
敷地内の茶畑を散策してみることにした。

261●
ホテルはだいぶ古い印象があるものの、値段は手頃(B&Bシングル
約2500円)。

192●
よく手入れされた庭は美しい。
198●

ケニアに初めてチャの木が持ち込まれたのは1924年。ここでは
約8エーカーの畑を2週間に一度、200人がかりで1日で摘み取る。

茶葉の量は約8,000kgになる。
221●

4年に一度、刈り込みを行っているそうだ。

248●
ショックだったのは、ケニアにはファースト・フラッシュやセカンド・フラッシュの
区別がないということ。チップ、ファースト・フラッシュ、セカンド・フラッシュの
3葉を同時に摘むそうだ。なるほど、だから・・と思ってしまった。

237-●

KWS大運動会

スポーツの秋!
がケニアにあるかどうか知らないけれど、毎年10月に、私が所属する

ケニア野生生物公社(通称KWS)の大運動会が催される。

北から、西から、海から、山から、全国の国立公園のレンジャーたちが、
ここナクルの市営グランドに大集合。4日間にわたって、保全地区ごと
対抗戦を繰り広げる。
017

全国からやって来る同期レンジャーや、元同僚との再会もあり、ホスト
であるナクルはとても賑やかになる。

開会式は快晴。
030

KWS職員による劇や民族衣装の紹介などのパフォーマンスあり、
085
プロの歌手(先の憲法改正式典にも招待された人気歌手らしい)のライブあり、
114●
Thanks Giving Dayのお祈り&寄付ありで、とても楽しい開会式だった。
027

運動会の競技種目は短距離走、サッカー、バレー、ダーツなど様々。

短距離走の選手の中には、ケニアの代表選手に並ぶような記録の
持ち主もいるらしい。先頭集団といったら・・速い、速い!!!
腿を高く上げ、ワッサワッサと動物のような速さで走り抜ける。
さすがケニア!

029

毎日雨の続くナクルにあって、運動会の期間中は毎日快晴!暑い!
よほどみんなの日頃の行い が良いんだね~と感心。
この4日間でだいぶ日焼けしてしまった。
IMG_8951
競技ごとに、優勝したチームが歌いながら踊りながらグランドを回る
のだが、それがいかにもアフリカらしく陽気で素敵だった。(写真が

なくてすみません。)

セントラル・リフト保全地区は、女子がバレーボールとネットボールで優勝、
男子がバレーボールで3位だったものの、徒競走がふるわず、総合3位。

最終日、ブラスバンドの演奏を聞きながら、ボランティアとはいえ、
この組織一員だってすごいことだな~と誇らしく思えた。
034
夜はKWS敷地内の運動場で夕食会&ダンス・パーティー!
他の公園の職員とも仲良くなれ、楽しい1週間だった。

ナクル湖国立公園メイン・ゲートに続くアカシア並木















公園のメイン・ゲートへと続くアカシア並木。
入園料を払わなくても良いので、休日といわず平日といわず
おおぜいの市民が木陰で休みに来る。

こども連れのお父さんやお母さん、カップル、結婚式の帰り
に写真撮影をしにくる新郎新婦、歌の練習に来る聖歌隊。
フェンス越しにシマウマを眺めたり、バブーンと戯れたり、
みんな思い思いにくつろいでいる。

「国立公園は外国人観光客のものよ。」などとケニア人が
言っているのを聞くと、悲しみやら、政策に対する怒りやらを
感じる。ケニア人のこどもは、国立公園料は無料にしたって
いいと思っている。

こうやって無料で自然を感じられる場所を市民に提供する
ことは、自然保全の観点からも本当に大切だと思う。

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

坂の上から、男の子かと見間違うようなドレッドを編んだ女の子が、
これまた男の子かと勘違いするくらい膝を大きく開いたままマウン
テン・バイクにまたがって、グネグネ蛇行しながら坂を下りて来た。

メイン・ゲートの手前まで下りて、また坂を上って来て、
アカシアの木の下に寝転んでラップ・トップを広げた。

こういう格好いい女の子になりたいって思ってたな、と
自分の小さい頃のことを思い出して、幸せな気持ちになった。

ナクル湖国立公園サファリ

帰国を来月に控え、同期短期隊員のMっちが、ナクル湖国立公園に
サファリにやって来た。
昨日、ライオンがバッファローを狩ったという話を聞き、その場所へ
直行。湖畔に着くと、運良く、1頭のメスライオンがまだ残った肉に
食らいついているところだった。

少し遠かったが、食事のシーンは迫力がある。
156●
公園の奥へ向かう途中、草原の向こうにキリン1ダース発見!!










今日は、今まで写真を撮りたいと思っていて撮れなかった鳥の写真が
たくさん撮れて満足。

Lilac Breasted Roller、Secretary Bird、Crowned Craneなどなど。


















339●

翼長が2.5mにも達するモモイロペリカンの飛ぶ姿は勇壮。
377●-
湖に浮かぶペリカン。水墨画のよう。
今日1日ですっかりペリカンのファンになってしまった。
140●

アウト・リーチ(Chamasisi小学校)

約半年ぶりにアウト・リーチに出かけた。

訪問先の学校は退職したKWS職員のこどもが通うChamasisi小学校。

020●

野を越え、山越え、トウモロコシ畑を過ぎ、「ここまだナクルなの?」と
上司が悲鳴をあげるほど車を走らせた頃にようやく小学校に到着。

063●

038●

036●

043●

パワポをつかって公園に生息する動物の説明をする上司。

058●

運転手のKもこの小学校出身らしい。

こどもたちを見て「賢そうだろ?他の学校のこどもたちとは違うだろ?」
と嬉しそうにほほ笑む。

駆け寄って来たこどもたちにKが大きな声で話しかける。

「元気かー?」 「元気―?」
「学校は?」 「楽しーい!」
「牛乳ちゃんと飲んでるかー?」 「飲んでるー!」
「キポロ食べてるかー?」 「あははー食べてるー!」
「またなー!」 「バイバーイ!」

079●

なんとも元気いっぱいなこどもたちでした。
キポロは残飯のこと。主に、前日に作ったウガリの残りを指す。



オマケ。小学校の敷地内にあった職員住宅。
ネパールのミティラー・アート(インドのマイティリー・アート)のように、
泥を使って家の壁に絵を描いている。しかしここでは壁に絵を描くのは
男の仕事だそうだ。

040●

Crater Lake / 番外編(ホテル紹介)

Naivashaは、町こそナクルよりだいぶ小さい。
Naivasha湖周辺は国立公園にこそ指定されていない(経済界からの
反対で指定できずにいる)ものの、古くから白人が住んでいたこともあり、
ナクルより洒落たホテルが多い。

今回、Kongoni Game Valleyに泊りたかったのだが、12月まで予約で
いっぱい、とのことだったのでランク・ダウンさせてCrater Lake Lodgeに
宿泊。
070
ホテルのファシリティは若干古い印象がある。2年前にプールを新築した
そうだが、その前に、各部屋の家具の買い替えを検討すべきだったでの
は?(Naivashaはそれほど暑くない。)
059
ナクルのメリカホテルと同系列らしいが、外国人旅行客が多いだけあり、
ケニア人客が多いメリカホテルと比較すると、スタッフも感じが良い。

食事もこちらの方が美味。
174
外国人料金(S:$187、W:$280)(3食付)は、高すぎるが、レジデント
料金(S:Ksh6,450、W:Ksh11,500)(3食付)は、まあ手頃。

なにはともあれ、このホテルはロケーションが良い。
099
Naivasha湖(淡水湖)に隣接するCrater Lake(塩湖)は、
さながらこのホテルのプライベート・レイク。湖ではフラミンゴ
やAfrican Fish Eagleが見られ、周辺の森にはBushbuck
が現れる。

泊まるなら、おすすめはハネムーナー用コテージ!!料金は
通常のダブルルームと2,000円ほどしか変わらないのに、
部屋の大きさは約2倍。設備も良い。どう考えても、どこかで
計算を間違えている。

キングサイズのベッド、趣向をこらしたインテリア ・ ・
そして大きなジャグジー付き!
081
ジャグジーの扉を開けると小さなバルコニーがあり、そこからCrater
Lakeが見下ろせる。ナクルの後輩隊員Mと、今度Naivashaでバラ
を買って(Naivashaは花卉産業で有名)、ジャグジーで”姫風呂”を
しようと約束。大人数で来ても楽しそう。



Crater Lake Lodge 050-2020-613

Crater Lake / Naivasha

先日、30歳の誕生日を迎えた。
小さい頃から憧れてやまなかったアフリカのサバンナで
節目の歳を迎えられたことを幸せに思う。

お祝いに、ケニアに来て初めてのひとり旅に出た。
と言っても、行き先はマタツ(ミニバス)で1時間の隣町Naivasha。

Naivashaの町からマタツと乗り合いタクシーを乗り継ぎ、小雨の中、
予約しておいたCrater Lake Lodgeに到着。お客さんは私1人。

あったかいシャワーを浴びて、ポーク・リブに舌鼓をうち、せっかく
なのでちょっとお酒を飲み、焚火に当たりながらスタッフとおしゃべり。

翌朝、何種類もの鳥のさえずりで目を覚ました。
部屋のテラスからは湖が見下ろせる。爽快。







朝食後、スタッフに呼ばれてコテージの裏へ行くと、Southern
Ground-hornbillが3羽(メス1羽とオス2羽)が、ホテル周辺の
森をバサリバサリと飛び回り、客室のすぐ裏の枯れ木の洞穴に
入っていくところだった。
052●
初めて見るSouthern Ground-hornbillに興奮した。ひとしきり
写真を撮ってから散歩に出発。


Crater Lakeの湖岸を通り、ブッシュ・バックに遭遇。丘をちょっと登り、
倒木をまたぎ、もうひと登りすると、アカシアよりも高い所に着いた。
120
さらにやぶを抜けると牧場に出た。フェンスに沿って歩いていく。
132
ふと視線を感じて振り返ると、牧場の隣の木々の間から、
キリンがこちらをうかがっていた。(どこにいるかわかるかな?)
111
牧場を抜けるとプライベート・サンクチュアリがあり、シマウマ、
トムソン・ガゼル、インパラ、エランドなどの草食動物がのんびり
草を食んでいた。


African Fish EagleやAugur Buzzardが上空をかすめ飛んでいく。
119
右を見ると牛、左を見ると野生生物。人と野生動物が隣り合って
暮らしている。任地(ナクル湖国立公園)で見慣れているはずの
動物ばかりだが、自分の足で歩いて見る野生動物は格別。

自分の足で同じ大地に立つと、その存在がさらにリアルに感じられる。
お弁当を持って来て、サンクチュアリでピクニックをするのもいいな。
152●
しばらく歩くとNaivasha湖(の端の湿地)に到着。

African Spoonbill、Great Cormorant、Great Egret、
Sanderling、Common Tern、Grey-headed Gull・・・
たくさんの水鳥が遊ぶ傍ら、10頭のカバの群れも水浴びを
楽しんでいた。
166▲
水辺ではマサイの青年4人と少年1人が羊を追っており、ここでも
人と野生生物が隣り合って暮らしているのが良くわかった。

ちなみに青年たちはカバを横目に”石鹸を使って”水浴びをしていた。
以前エレメンタイタ湖に行った時も、マサイの女性たちが水鳥が採餌
する傍らで”石鹸を使って”洗濯をしていたっけ・・

雲行きがあやしくなってきたので、急いでホテルに戻る。
途中ちょっと降られたものの、気分は爽快。
昼食を食べて、ナイバシャを後にした。

”ひとり旅”を十分に堪能。我ながら素敵な誕生日プレゼントだった。