朝の送迎バスの中が一瞬ザワついた。
窓の外を見ると、公園のメイン・ゲートから町へと続く道を二頭の
バッファローが気忙しげにのぼっていくところだった。
あと5メートルで一般道との境のフェンス・・というところで、二頭
はフェンスに沿って左に曲がった。ナクル湖国立公園の二重の
フェンスの間(外側と内側のフェンスの間の空間)に入った。
前方を見ると知らせを聞いて駆け付けたらしいKWSの車がいる。
柵の間の狭い空間に違和感を感じたのか、バッファローは踵
を返し、フェンスに沿ってもと来た道を下り始めた。
先日パーク・クリーンの日にバッファローを追い払った若い運転手
の運転する車が、ゆっくり、ゆっくり、バッファローを追いかける。
パニックにさせず、かつ自由に草を食む余裕は与えない絶妙の
間隔。
メイン・ゲート付近まで戻ったバッファローはフェンスの間を抜けて
無事群れのところへ戻って行った。